一蓮托生の運命共同体だけど、「ずっとCCCのままでなければならないということはありません」。

新潮45』 2014年3月号 対談「公立図書館は無料貸本屋ではいけない 林真理子×樋渡啓祐」より
(太字部分は同記事より引用)

公募をせずにCCCを指定管理者に決めた経緯から、いつもの「結婚って公募でやらないでしょう」の流れ。
林氏の「地元の花嫁候補もいたけど、やっぱり東京の代官山のお嬢さんが……。」発言を受けて、
あまり表に出していないんですがと、CCCより先に地元の本屋に打診をした、という話が出る。
図書館に“民”の力を入れたいと思ったとき、市長がまず思いついたのは、地元の本屋の力を借りることだったという。

  でも、そうしたら、地元の本屋さんには断られてしまったんですね。
  「お金は全部ちゃんと払うので、毎月のセレクションも含めてやってくださいませんか」
  とお願いしたら、「僕らは納入するだけでいいんだから、余計なことを言わないでくれ」と。

で、今はCCCの直営でやっているけれど、
「行く行くは地元の本屋さんにもまた、お声がけすることにもなると思います」とのこと。

  指定管理者制度の契約期間は三年から五年間と決まっています。(略)
  一度CCCが入ったからといって、ずっとCCCのままでなければならないということはありません。

あれ? あとから地元の本屋も参入できるようCCCに道筋をつけてもらってる、というニュアンス……?
あれ? 武雄市とCCCは「運命共同体」じゃなかったのか?
と思ったら、やっぱり同じことを思い出している方がいた。
https://twitter.com/senryoAIIT/status/440085033030660096

ツイート中にあるリンク先は、平成25年7月の横浜市議会「こども青少年・教育委員会行政視察概要」。
武雄市を訪れ、図書館について以下のような説明があった旨、明記されている。
http://www.city.yokohama.lg.jp/shikai/pdf/shisatsu/2013gs-j4-1.pdf

  次の指定管理者の更新のときには指定管理者の期間を5年ではなく20年にし、
  指定管理料も今よりも増額しカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社と
  一蓮托生の運命共同体になる覚悟である。(P10)

視察対応は、市長・教育委員会職員・CCC武雄市図書館広報担当。

視察概要の武雄市図書館部分はp7〜11。
平成24年度までは図書館の運営費に1億2000万円かかっていたが、
 開館時間を大幅にふやすにもかかわらず、
 カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社を指定管理者にすることにより
 約10%の削減になる1億1000万円を指定管理料として運営費を抑えることができた。」(P8)
という事実と異なる記載をはじめ、「おやおや」ってな箇所もあるので、全文をご一読いただきたい。

参考までに、運営費が削減になっていない旨を明記した神奈川新聞の記事を貼っておく。

カナロコ:佐賀・武雄市図書館に行ってみた(下) 来館者増、本当に「高評価」?
CCCに支払われる指定管理料は、図書館単独で年間1億1千万円。
市の直営時代の図書館運営費は、併設する歴史資料館と合わせて1億2千万円だった
(歴史資料館は現在も直営で、年間の運営費は4千万円)。
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1401210008/

ちなみに、「運命共同体」発言は、リニューアル開館前の『AERA』 2012年7月2日増大号 にも登場している。
 → 「CCCについては、「運命共同体です」と話している。」